まったく自覚症状がないまま合併症の多くは進行します。
残念ながら血液検査のみではほとんどの合併症を見つけることができませんので、それぞれの合併症を見つけるための検査が必要になります。
また、合併症は一度起こってしまうと治療に難渋することがありますので、症状がなくても、定期的に合併症のチェックを受けることが大切です。
合併症
予防には
定期的な
検査が重要
糖尿病網膜症は、成人後の失明の主要な原因となっています。
「見えにくさがないから大丈夫」とおっしゃる方が多いですが、視力低下をきたすのは極めて重篤な状態になってからです。初期の網膜症で症状が出現することはまずありません。 初期の段階で発見、治療すれば失明に至ることはありません。
【検査】
定期的に眼科を受診していただくか、当院で年1~2回の眼底検査を行います。
(眼底検査は新神戸院でのみ受けていただけます)
糖尿病腎症は、重症度により1~5期に分けられます。
1期:腎症前期(正常)
2期:早期腎症期
3期:顕性腎症期
4期:腎不全期
5期:透析療法期
一般に、腎機能の悪化によるむくみやしんどさなどがあらわれるのは3期の終わりから4期まで進行した場合です。それまで自覚症状は全くあらわれません!
【検査】
微量アルブミン尿などの精密検査と血液検査による定期チェックを行います。
血液検査のみでは腎症の進行を知ることができません。
神経障害が進行すると、一般的には両側の足先や手先のしびれが出現しますが、自覚症状がないまま神経障害がかなり進んでいる方も見受けられます。
症状がなくても、足の裏の感覚が知らないうちに鈍くなっていて、靴擦れやちょっとした足のトラブルから、潰瘍や壊疽を起こす場合があります。
【検査】
足の感覚が低下していないかを、振動覚検査、タッチテストなどで調べます。
さらに、神経伝導検査により、「神経が刺激を伝える速さ」と、「残っている神経線維の量」を測定します。
糖尿病の方ではこれらの病気を発症するリスクが2~3倍上がります。
高血圧や脂質異常症、高尿酸血症などを合併している方や、喫煙している方では、さらにそのリスクがあがります。
発症すれば命にかかわりますので、動脈硬化がどの程度進んでいるかのチェックを定期的に行い、予防策を講じることが非常に大切です。
また、糖尿病の方では、心筋梗塞や狭心症の発作時に胸の痛みが出ないことがありますので、なおさら定期的なチェックが必要です。
【検査】
動脈硬化の程度を調べるため当院で頚動脈超音波検査を行います。
心臓の状態を調べるため、必要に応じて当院で胸部レントゲン、心電図、心臓超音波検査を行います。
ハイリスクと判断した場合は、心臓CT(他院)などの精密検査を行います。
足の血管の狭窄や閉塞により、ふくらはぎの痛み、冷感、色調変化(色が悪くなる)などの症状が出現し、進行すると足壊疽にいたります。
足の小さな傷から壊疽をきたす場合もあります。
【検査】
糖尿病の方の下肢の動脈の詰まりがないかチェックします。動脈の詰まりが疑われる方には当院で血圧脈波検査(ABI/PWV)を行い診断します。
血圧脈波検査とは、上肢と下肢の血圧差と脈波の伝わり方を測ることで、血管の硬さと足の血管の詰まりを調べることができる検査です。
当院で受けていただけます。
糖尿病の方では骨質が悪くなり、同じ骨量であっても骨折のリスクが約2倍高まります。
また1型糖尿病の方では、骨量がかなり低下していることが多いです。
【検査】
骨量検査で診断します。
(特に60歳以上の方、閉経後の女性は注意が必要です)
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