従来、指先の穿刺による血糖測定を行う以外に、自分の血糖を知る方法はありませんでした。
指先穿刺には痛みを伴いますし、今の血糖を知りたいと思っても、人前や外出先での血糖測定は、なかなか行いにくいものです。
持続血糖モニターは、皮下に小さなセンサーを留置し、血糖値と連動して変化する皮下の間質液濃度を1~5分毎に測定することにより、連続的に血糖値の変化を知ることができる測定機器です。
1日数回の血糖自己測定では気づかれていなかった高血糖や低血糖が明らかになり、より安全な血糖マネジメントが行えるようになっています。
国内で使用できる
持続血糖測定器
スリースタイルリブレ2
DexcomG7
ガーディアンコネクト
このCGMから得られる新しい血糖マネジメント指標がHbA1cと合わせて使用されるようになっています。
*TIR(time in range:目標血糖範囲内)
血糖値が70-180 mg/dLの範囲内にある時間の割合
*TAR(time above range:高血糖域)
血糖値が>180 mg/dL以上の高血糖の時間の割合
*TBR(time below range:低血糖域)
血糖値が 70 mg/dL未満の低血糖の時間の割合
この指標のうち治療上最も重視されているのはTBRであり、なるべく低血糖時間を増やさないように治療を行うことが重要です。
一般的な目標は、TIR >70%、TBR <4%、TAR<25%とされていますが、高齢者などの目標はTIR >50%と通常よりも高血糖域が許容される一方でTBR の目標は<1%と低血糖を避けることが重視されています。
この指標は糖尿病合併症の進行とも関連することがわかっています。 なお、TIR70%に相当するHbA1cはおおむね7%であると言われています。
1日の血糖推移を知ることで、食事内容や運動などが血糖値に与える影響を知ることができ、自己管理に役立てていただくことができますので、すべての方に有用です。
以下のような方には特に使用をおすすめしています。
※1型糖尿病、膵性糖尿病
※低血糖リスクが高い
※低血糖時の症状が起こりにくくなっている(無自覚低血糖)
※生活パターンが不規則、活動量が日によりバラバラ
※食事時(ボーラス)のインスリンを使用している
※特に厳格な血糖管理が必要(妊娠前や妊娠中、手術前後など)な場合
※糖尿病治療薬を開始、変更する時
※サポートが必要な高齢の方→介護者や家族によるグルコース値の遠隔モニターが可能です(対応機種のみ)。
*シールかぶれなどの皮膚トラブルが起こることがあります。
*実測血糖値との乖離(ずれ)
※各CGMにおいて、実測血糖値との差異の割合(MARD)はおおむね10%以下と良好ですが、高血糖/低血糖域のずれが大きくなることが時にあります。
*脱落のリスク(汗や衝撃など)
*常時グルコース値がわかることによる心理的ストレスや過剰な依存
このようにCGMの特徴を良く知ったうえで適切に使用することが大切であり、当院ではそのサポートもあわせて行います。
現在、わが国で使用できる
持続血糖測定器は
3種類あります
500円玉くらいの大きさのセンサーを上腕に留置しておくことで、グルコース値が1分毎に測定され、スマートフォン(対応機種のみ)でグルコース値の変化をいつでも観察できます。ひとつのセンサで連続14日間使用できます。
※専用リーダーを使用する場合は前モデルのリブレ1と同じくスキャンが必要です。
さらに、現行のリブレ2では低グルコース・高グルコースのアラート機能(消音・バイブレーション可能)が追加されており、グルコース値の異常にいち早く気付いて対処することが可能になりました。
【費用について】
糖尿病の方:保険診療で使用できます。
インスリン治療中の方:継続使用可能です。(3割負担の方では1ヶ月約3750円前後)
インスリン以外の治療を行っている方:6ヶ月に2回まで検査目的で使用可能です(3割負担の方で1回の検査につき4000円程度)。なお治療内容により継続使用が可能な場合もあります。
腹部や腕などの皮下に小さなセンサーを留置しておくことで、血糖値が5分毎に測定され、スマートフォン(対応機種のみ)やApple Watchもしくは小型専用モニターで血糖値の変化をいつでも観察できます。
リブレ2と同様の高グルコース・低グルコースアラート機能に加えて、デクスコム7では高血糖や低血糖を予測する機能も備わっており、より早く血糖の異常に気付くことができます。
DexcomG7は、1世代前のCGM(DexcomG6)と比較してさらにシンプル、簡便に装着できるようになり、センサ使用時間も10.5日と長くなりました。
【費用について】
糖尿病の方:保険診療で使用できます。
インスリン治療中の方:継続使用可能です。(3割負担の方では1ヶ月約3750~7920円前後:センサ個数により異なります)
インスリン以外の治療を行っている方:6ヶ月に2回まで検査目的で使用可能です(3割負担の方で1回の検査につき4000円程度)。なお治療内容により継続使用が可能な場合もあります。
※Apple Watchは、Apple Inc.の商標です。
腹部や腕などの皮下に留置したセンサを留置しておくことにより血糖値が5分毎に測定され、スマートフォン(対応機種)で血糖値の変化をいつでも観察できます。
上記のCGMとの違いは、ガーディアンコネクトは、メドトロニック社のインスリンポンプとの連動が可能な機器であることです。
インスリンポンプと連動させる)ことにより、持続血糖モニターによるグルコース値の変化に基づいてインスリンが自動で調整される機能を使用することができます(AID療法)ひとつのセンサで連続7日間使用できます。
【費用について】
糖尿病の方:保険診療で使用できます。
インスリン治療中の方:継続使用可能です。(3割負担の方では1ヶ月約3750~9900円前後:センサ個数により異なります)
インスリン以外の治療を行っている方:6ヶ月に2回まで検査目的で使用可能です(3割負担の方で1回の検査につき4000円程度)。なお治療内容により継続使用が可能な場合もあります。
近年、CGMや血糖測定器、インスリンポンプなどのデバイスとさまざまなアプリが連携することにより、スマートフォンなどでご自身のデータをまとめて確認することができるようになっています。
但し、各デバイスにより連携可能なアプリが異なるため2024年7月現在における対応アプリをまとめていますのでご参考にしてください。
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