当院では、糖尿病薬のみならず全ての薬剤について、多剤併用による副作用のリスクや臓器への負担に十分配慮した治療を行っています。
また、糖尿病治療薬には体重が増加しやすい薬剤と、体重減少作用を持つ薬剤がありますので、体重のコントロールが望ましい患者さんには減量をサポートする薬剤を選択して使用しています。
なるべく少ない量、種類の薬剤を用いた治療を心がけており、可能な場合は積極的に減薬も行います。
ただし、やみくもに薬を減らせば、安定している病状が悪化して患者さんの不利益につながることもありますので慎重に判断しながら治療を行っています。
副作用のリスクを
最低限に抑えた
シンプルな治療
体重コントロールを
意識した治療
それぞれの患者さんに
最適な薬剤選択
また、糖尿病治療薬についての考え方が近年大きく変化しており、いまや糖尿病薬は血糖値を下げるためだけに使用するものではなくなってきています。
現在使用できる多くの糖尿病薬のうち何種類かの薬剤(特に近年使用できるようになった薬剤)は、単に血糖値を下げる作用を持つだけではなく、糖尿病患者さんの血管や腎臓を守る(心筋梗塞や心不全、腎不全に至るリスクを下げる)作用も併せ持つことが明らかになっています。
このため、糖尿病治療における世界的なトレンドとして、血糖値を下げるという目的だけでなく、体の臓器を守る、合併症を抑制する、進行した合併症を改善させる目的で糖尿病薬を使用するという考え方にシフトしています。
たとえば、GLP-1受容体作動薬という糖尿病薬を投与された糖尿病患者さんと、投与されなかった患者さんを比較した研究では、治療開始後たった数年で、GLP-1受容体作動薬を投与された患者さんの心血管病(心筋梗塞など)の発症が、投与されていない患者さんよりも少ない結果となりました。
驚くべきことに、薬剤を使用した人と、使用しなかった人のHbA1c値に差がなくても、同じ結果になりました。
すなわち、この薬剤は血糖改善を介さず心血管病を直接抑制した可能性があるということです。
また、SGLT2阻害薬という糖尿病薬の服用により、HbA1cの改善の有無とは関係なく、腎不全や心不全が抑制される、脂肪肝が改善することが近年わかってきています。
さらに2023年よりGIP・GLP-1共作動薬(マンジャロ)が使用できるようになりました。これは強い体重減少作用と血糖降下作用を併せ持つ薬剤であり、肥満を合併した日本人の糖尿病患者さんに対してこの薬剤を投与した臨床試験では、最大用量の投与により1年間で2.8%(8.2→5.4%)のHbA1c低下と10㎏以上の体重減少が認められました。一部の患者さんでは糖尿病の寛解も期待できる画期的な薬剤です。
これ以外にも新薬の開発がすすめられており、今後さらに糖尿病治療の選択肢の幅がひろがることが期待されます。
「糖尿病薬」は「血糖値を下げる薬」であると今までは考えられていたと思います。
しかし、現在の「糖尿病薬」は、患者さんによっては「血糖値を下げる薬」というよりも「血管を守る薬」であったり、「腎臓を守る薬」であったり、「心臓を守る薬」であったりするのだと思います。
当院では、このような最新のデータと専門家としての経験を活かして、血糖コントロールのみならず皆さんのからだを守るための最適な薬剤を選択して処方しています。 糖尿病の治療薬について、詳しくは「かがやき糖尿病内分泌クリニック 新神戸院」のサイトをご覧ください。
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